森田療法における「純な心」

森田療法における「純な心」について説明したい。人によってはこれが森田療法の真髄だとも言う。

森田療法によれば神経質者は感情を感じているのではなく、まず観念「かくあるべし」を感じているというのだ。

例えば人前で話している時、ビクビクするのは「恥ずかしい」という本当の感情を感じているのではなく、「人前では堂々と話すべきだ」という観念を感じているからビクビクするのだという。

そして、堂々と話せていないと自分で勝手に自分にダメ出しをして、ますますビクビクして、ついには本当にみっともなくなるのである。

つまり観念なんてものは自分を苦しめるだけの人工物なのだ。

そして、「恥ずかしい」という本当の感情が純な心である。それは素直な心、一次感情とも言える。これに嘘はない。自然の事実である。

なので、必要以上にビクビクする人は自分の一次感情は何なのか？を自分に質問するといい。

人前で話している時、ビクビクしているときに冷静になって「かくあるべしの観念ではなく、自分の一次感情は何なのか？」と自分に問う。

すると、「恥ずかしい」と分かる。そして、恥ずかしいなあ、恥ずかしいなあと感じながら人前で話す。純な心でいればダメ出しは起こらないからビクビクは加速しない。

「恥ずかしい、ああ恥ずかしい」と感じて素直にならず、「堂々と話したい」と格好を付けているから泥沼にハマっていくのだ。

自分を偽らないでそのままを感じてあげよう。

純な心でいよう。