人生V字回復

人生V字回復

いじめ、対人恐怖、ひきこもり、アルコール依存症全て体験してきました。また数々のメンタルクリニックを受診して様々な薬を飲んできました。私はうつのどん底にいる時、ロープに首をかけるところまでいきました。そこから回復し進学・就職・結婚をして子供にも恵まれました。現在、また症状がぶりかえしてきて格闘中ですが、過去の経験を生かし、また人生を楽しめるようになりました。どん底からでも人は生き返ることができる。人生V字回復の方法を提案していきます。

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【自覚と悟りへの道】(1) 私小説

『ヒャウ!ワウ!』

階下にいる認知症のおじいさんの叫び声がここ最近のモーニングコールだ。

 


長い眠りから目覚め、朝風呂を済ませて北中淳子著「うつの医療人類学」をめくり始める。文化によってうつの構造も異なるという面白い学問だ。この理屈によると、日本の自殺者が多いのは日本特有の社会構造と文化によるとも思える。

 


さて、私がいるのは人口10万人にも満たない地方都市の精神病院。いわゆる閉鎖病棟ではあるが、外出はおおむね許されており買い食いも自由だ。酒はむろん禁じられており、飲酒がバレたら即刻鍵のかかった反省房にぶちこまれる。

 


アルコール依存症で入院中でありながら、二度も院内で飲酒をした女性を私は目撃している。女性患者の大半は摂食障害アルコール依存症の両方を患っており、人間の生育過程における闇を感じさせる。

 

 

彼女たちは決して悪くない。生育過程の中で、無条件に愛情を受け続けるということができなかったのだ。アルコール依存症の私もそうである。

 


話がそれた。この病院では医局の本棚からは精神医学、臨床心理学の文献を借りることができる。ランニングもできる。夏のこの季節、大自然のパノラマを眺めながら走ることに私は無上の喜びを感ずる。バランスのとれた病院食ともあいまって体重もずいぶん減った。

 


個室に風呂や机の付いたVIPルームも存在する。私がいるのは、まさしくその部屋である。部屋で読書をし、書き物をする。疲れたら気晴らしに外にランニング。ただし、残念ながらWifiは3Gにしか繋がらない。

 


この病院は悪くない。今の私にはそう思える。

 


今思えば私の人生は激動であった。幼少期は「特別な子」としてかわいがられたものの、仕事に忙殺され始めた父親は酒に走り、アルコール依存症となった。その発作から母への家庭内暴力(DV)は止まらず、私と弟は怯えた日常を過ごした。

 


小学校、中学校では名の知れたお調子者かつ秀才であったが高校時代から周囲の目に敏感となり通学に苦痛を感じるようになる。

 


女子高校生は「それ」を見逃さない。敏感でオドオドした人物は彼女らにとって最高のストレスのはけ口となるのだ。おかげで私は彼女らから言われなき中傷を受け、なかば不登校気味になりながらなんとか卒業までこぎつける。

 


1年時には校内2位の学力を誇った私も3年次には凡人に成り下がっていた。過呼吸で勉強どころではなかったのである。

 


(2)に続く。

(2)以降、現在執筆中。

 

私の運命を知った本。